5/12 リサイタルを終えて

ノナカ・アンナホールでの陶山 咲希&原 清夏ファゴットリサイタルが終演、並びに後日配信も終了いたしました♪


4月23日の緊急事態宣言発令時点ではギリギリ期間外となっておりましたが、リサイタル直前の5月7日に延長決定となり都のイベントへの措置はいずれもクリアしていたものの、関西から聴きに行く!と言ってくれていた友人たちが来れなくなってしまったり、その他キャンセルも若干数出ていたため、感染状況も相まって改めて予定通り開催するかどうかとても悩みました。

悩んだ末、主催の方にライブ配信の提案をしましたところ、急遽のため既に配信チームの方々の予定が重なっていたにも関わらずスタッフお一人に対応していただき、なんとか宣言下12日に有観客+後日動画配信という形で開催が実現いたしました。

公演から2週間以上経過しましたが陽性等のご連絡はいただいておらず、安心しております。


今回、ご縁があって地元ではない関東地方で初めてのリサイタル開催ということで、現在は芸劇のアカデミーがある度に関西から通う程度のためにお客様が集まらないのではないか…と不安でしたが、関東圏のオーケストラ・音楽大学の方々や、関東在住の同級生、初めましての方などこの状況下色んな方々にお越しいただき、開催できたことも含めて若輩者ながらとても幸せだと思いました。

終演後、関東在住の中学・高校の同級生と


本番はと言いますと、とにもかくにも緊張した記憶しかありませんが(MCも言おうと考えていたことの4割ほどしか話せておりませんでした汗) 、先日じっくりとフィードバックを行い、リサイタルを通して多くの学びがあり、今後の課題もたくさん見つけることができました。

ちなみに、1時間のリサイタルプログラムを組んだことのなかった私はやりたい曲を詰め込み、合わせ練習が始まってから選曲を後悔し始めたのでした…(ましてや一曲目に無伴奏をもってくるなんて!昨年のお気楽な私を説教したいですが、素晴らしい曲たちの助けもありなんとか終演まで吹ききることができたのでホッとしております。。)


選曲といえば、ひとつの奇跡が起こりました。1か月ほど前に気が変わって差し替えたアンコール曲、フォーレの "夢のあとに" です。なんと、ちょうど5月12日はフォーレの誕生日だったのです!!差し替え時に誕生日だということは全く意識しておらず、本番当日の楽屋にてこのミラクルを知りました。

この曲は簡単に言うと、この夢から醒めないでくれ!という目覚めてしまってから夢の中での女性との幻想的な時を想い嘆く男性の歌ですが、今回はその逆の意味で、近年のこの禍は夢だったらいいのに!この夢のあとはどうなっているのだろうか…という思いを勝手ながら込めました。


さて、冒頭にて緊張でMCで話したかったことが全然話せなかったと書きましたが、せっかくの長文ブログですので後半プログラムの一つであったシューマンの3つのロマンスについても少し書こうと思います。

R.シューマンの3つのロマンスはオーボエの言わずと知れた名曲そして難曲でありますが、この曲のプログラムノートの最後に、


"3つの楽章はそれぞれ過去、現在、未来を表していると表現する人もいるように、この作品の中からは、あこがれ、後悔、思い出や愛慕など様々な表情が感じ取られ、聴くまたは演奏するその時々によって楽曲の捉え方も変わってくるのではないでしょうか。"


と記しました。

これには少々思い出話、中学2年生の時に社会の先生が授業で仰って今でも記憶に残っている言葉がありまして、それは "源氏物語は人生で3回は読んでほしい" というものです。

多くは学校の授業で取り扱われる紫式部の源氏物語ですが、先生が仰ったのは、ただ教養として知るのではなく物語を読んだその時期によって作品の受け取り方が変わるのを楽しんでほしい、という意味で、人生80年と考えるとまだ約4分の1しか生きていないこの時期にぜひ一度取り組んでみようと思っての選曲でした。

いつの日かまた取り組む時にはどのように楽曲の捉え方が変わっているのか、はたまた変わっていない部分もあるのか…ささやかながら楽しみにしています。


長くなってしまいましたが、リサイタルの開催にあたり、今回のリサイタルシリーズを紹介していただきましたフルーティストの下野 依子さん(Twitter)、丁寧かつ細やかにあらゆるリサイタルサポートをしていただきました一般社団法人 サポート ミュージック ソサィエティさま(HP)、収録から素敵な編集まで急遽配信の対応をしていただきましたPromusica Continuo 株式会社さま(HP)、素晴らしい会場を使用させていただきましたノナカ・ミュージックハウスさま(HP)、当日にも楽器の調整をしていただきました新堂さん、調律師さん…その他にも数えきれないほど沢山の方々にお世話になりました。

また、会場までお越しいただいた皆さま、配信でお聴きいただきました皆さま、本当にありがとうございました。

そして、楽屋でとんでもなく緊張していた私と1時間のプログラムを最後までしっかりと支えてくれたピアニストの原 清夏さん!!大変お世話になりました。


終演後、ピアニストの原さん・ノナカの山田さんと


まだまだ演奏会等の雲行きの怪しい地域はありつつ収束の兆しもほんの少しずつ見えてきているかといったところですが、いつか地元でもリサイタルを行いたいと考えておりますし、引き続きこれからも精進して参りたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!



公演の様子は主催者さまのFacebook記事でもご覧いただけます↓

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源氏物語もそろそろ一度読み返したいです。



SAKI SUYAMA

Bassoonist Saki Suyama Official Website ファゴット奏者,陶山咲希の公式ウェブサイトです

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